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辻井喬さん 「父の肖像」

一ヶ月くらいかけてこの「父の肖像」上下巻を読みました。
なかなか読み応えがありました。

辻井さんはペンネームで本当の名は堤清二さんです。
ですから父親は堤康次郎さんです。

その父親を名前を変えて、おそらく大部分事実の伝記のような感じで
書いたものと思います。

実業家として、政治家として、父として
いろいろな人間関係、特に女性とはいろいろな方と関わります。
当然子供ができ、異母兄弟が生まれます。
その一人としての私、恭二が父、楠次郎を描いていきます。

楠次郎はものすごい人生を過ごします。
関わってくる人物も大隈重信から新渡戸稲造
政治家になると吉田茂、実業家としては五島慶太まで
すごい人が多く登場します。

一方、女性関係には苦労して、なかなかいい奥さんには恵まれず
そのため多くの女性と関係します。
楠次郎本人が豪快で、あまり細かいことを気にしないので
女性に対しても深い情けがありません。
でも、それぞれけじめはきちんとつけたようです。

この作品は私、恭二が、楠次郎という父をあまり好まないながらも
自分にも父親の遺伝子があるのだということに気づき
父を通して、自分の生き方を模索していくものです。
辻井喬さん 「父の肖像」_e0083922_5283534.jpg

楠次郎は実業家としても、政治家としても
名をはせます。
それでも、人間関係に悩み、女性に気を使いつつ、
その子供に扱いに難儀する過程が描かれます。

この作品を通して人間の生き方は
さまざまなのだと痛感させられ、また親子は血を争えないのだと
改めて知ることになります。

長く難解な文章もありますが、興味深い作品です♪
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by dopi19 | 2007-04-04 05:39